[1] GAIA FIGHTの世界 その1

 この世界の舞台となる所は、今から数万年も未来の世界です。この世界では魔法や精霊が存在し、メトセラやノームなどの亜人種や特殊な能力を持った人間、騎士や魔導士が存在しています。この時代では、火星・タイタンなど、近距離の他の惑星への移民・開拓が完了し、それぞれが独立した国家を形成しています。 また、地球内部もいくつかの国に分かれています。プレイヤーキャラクターは、帝国側の軍人か、公国側の兵隊または傭兵として戦うことになります。


[1]-1 この世界での歴史の一部

 はるかなる昔、地球で重大な事故(その原因、内容は未だはっきりしていないが、地表で巨大なエネルギーが放出されたことは確かである。)がおこり、その反動によって地球の軌道の周辺に次元断層が発生した。これと同時にあらゆる通信網での地球との交信が不可能となった。(しかし、当時から使われていたGAIA NETWORK SYSTEMだけは地球に本拠地をおいていたにもかかわらず、なぜか稼働していたようだ。これは今日まで謎となっている。)この事故をラグナレックと呼び、地球上にあった高度な科学文明は滅びている。火星やタイタンに生き残った人々は新たなる国家を形成し、現在まで至っている。

 ラグナレックから3万年、次元断層によって宇宙船での地球との往来が不可能となっていた。だが、今から7万年ほど昔に宇宙探検家によって次元断層のすき間が発見され、ほどなくして地球との往来が可能となったのである。

 このころ地球では、当時の科学者たちを驚愕させるような文明が発達していた。それは現在ではごく普通に使われ、生活の一部ともなっている魔法が科学に代わって発達していたのである。この時代を魔法時代と呼び、数百年の間、文化と技術の交流がつづき、魔法と科学の融合した新しい道具や物質などが作り出されていった。恒星間飛行などの技術が存在したといわれている。

 現在より約7千年ほど昔、各惑星間の対立の悪化により各地で小規模な紛争が発生。それが次第に範囲を拡大し太陽系の惑星ほぼ全ての地域での大規模な戦争へと発展した。そしてその状況は急速に悪化していったのである。またこの期間に高度な技術や魔法が次々と失われていった。

 284年前、レイアン帝国の皇帝、光武帝の呼びかけによって各国の首脳達が集まり、停戦が成立した。この首脳会談で一つの宣言がなされた。(後にこれをレイアン宣言と呼ぶようになった。)1年後に太陽系連邦成立というかたちで実をむすぶこととなる。またこれと同時にそれぞれの国でまちまちであった暦を統一し、この年を元年とした。これを連邦暦と呼ぶ。

 連邦暦279年。地球最大の国家のサイル・レイアン帝国の帝である文光帝が急死し、その后であった芳花妃が帝となった。それ以後、帝国の内政が悪化した。

 281年。レイアン帝国西部に位置するトラキア公国のヴラドー・ツェペシュー公が独立を宣言した。これに対して帝国は兵を送って鎮圧しようとしたために。公国との間で武力衝突が起こった。ヴァチカン王国は領土拡大のため、レイアン帝国との同盟を理由にトラキアに侵攻してきた。これに対しトラキアは巧みな外交でエジプトとエルゴレアを味方に付けヴァチカンとの戦闘に参加させた。さらに、レイアン帝国との関係が悪化していたムガール、レイ・ヴァナーズ、リンブルトンの各国がレイアン帝国に対して宣戦を布告し、戦争は泥沼と化していった。

             連邦暦283年 勢力図

自由同盟 中立 帝国
トラキア公国 ダラス共和国 レイアン帝国
ムガール ビザンツァ連邦 ヴァチカン王国
レイ・ヴァナーズ ウクライナ  
リンブルトン    
エルゴレア    

  連邦暦283年 トラキア独立戦争 勢力表


[1]-2 サイル・レイアン帝国(帝国内では、封神帝国と呼ぶ)

 レイアン帝国は、何万年も昔から続く巨大な帝国で、建国からこれまで王制を続けてきた。この国の前身である麗安国の主であるイザナギノミコトが死亡し、娘の天照が王位についた年に謎の敵(北方の遊牧民族の大移動とも魔術の失敗のために現れた魔族ともいわれている。)が現れ、国を侵略した。小国であった麗安国は大軍になすすべもなく敗れ、王城まで大軍がせまった。しかし、月読と名乗る青年が現れ、敵を一瞬にして殲滅し、敵の陣地まで攻め上った。このことで士気があがった麗安の軍は敵を追い払い、勢力を回復している。武勲をあげた月読と天照は結婚し、天照が王位についた。麗安国は国力の拡大をはかり、次の年に近隣の国を吸収し麗安帝国と名乗っている。麗安帝国が建国されてから5120年たった時、史上最凶と呼ばれる厄災が起こった。世界を支えている4元素(火,水,風,土)の精霊が不安定になり、異界の門が口を開いたのである。異界の門からは様々な怪物が現れ、人々を恐怖へと陥れた。そしてついに邪神まで現れたが、麗安帝国の帝が率いる騎士たちの活躍によって封じ込められ、世界の崩壊は免れている。この時から神を封じ込めた帝国、封神帝国と呼ぶようになっている。

 21年前に帝位に就いた文光帝は経済改革を実施し、それを成功に納めた。また今まで貴族たちのみで行われてきた議会に新しく衆議会を設置させ、民意が政治に反映しやすいようになっていた。さらに治安の強化にも力をいれていた。しかし、文光帝の急死により保守派が台頭し、多くの思想家や政治家、哲学者たちが反逆罪などで処刑、弾圧された。現在は文光帝の后であった芳花妃が帝となっているが、政治のほとんどが摂政の李 安悠と大臣たちに任されており、実質上傀儡の王となっている。

 この国には、古くから封神騎士団という騎士団があり、その昔邪神を封じこめたと言い伝えられている。騎士団は朱雀・青龍・白虎・玄武にわかれており、レイアンの首都麗安の中心部東京宮にある王城”翔鶴”の四方に位置する要塞を守護している。主な任務は帝の身辺の警護、軍団の指揮、または警察活動などだがその本質を知る者はあまり多くない。


[1]-3 トラキア公国

 トラキア公国は、トランシルバニア地方南部に位置し、トラキア公爵家に統治された都市国家”ブカレスト”を首都として数万年の間独立を保っていた国家だ。古くからレイアン帝国とは友好関係にあり、500年前にレイアン帝国との婚姻とともに帝国に編入した。この国は主に工業を主体とする産業によって構成され、経済連合と呼ばれる巨大な企業の集まりが大きな発言力を持っている。

 帝国の宰相を兼ねていた領主のヴラドー・ツェペシュー公爵は、レイアン帝国の先帝である文光帝と協力し、経済改革を進め国家機関の民主化にも努めてきたが、文光帝の急死により保守派によって失脚に追い込まれた。レイアン帝国の内政の悪化(秩序の回復の名目で経済統制を行った。など)が経済連合の反発を招き、言論の自由や思想の自由などが治安維持法で封じられたため、公国領土内の各地で帝国に対するデモ運動が広まった。これに対して帝国の機動警察隊が武力鎮圧を行い、5000人以上の死傷者がでた。この事件の後、公国の有志たちの間で新しく議会が開かれ、レイアン帝国から独立することが決定された。(経済連合の金銭的なバックアップが存在したと言われている。)


[1]-4 火星王家連盟(三王家連盟)

 火星は以前、高度な科学技術に支えられ、範囲が太陽系の外にも及ぶ文明を築いていた。その片鱗は今でも科学万能主義や科学信奉となって現れている。3万年前の魔法文明のとの交流から現在まで一貫して科学主義を貫きとうしており、火星製の製品は一切呪法を使用していない。火星は、ラグナレック以前から開発が始まっており、ドーム状の巨大な地下施設の中に都市を作り、人類はその都市の中に移り住んでいた。惑星改造(テラフォーミング)の準備段階にあった火星だったが、地球からの補給物資なしでは生活することができなかった。そのためラグナレックから数年は火星も混乱に陥っていた。地球との通信は一切途絶え、地球からの補給物資は到着しない。まだ開拓中の火星は自給自足の生活という困難を強いられた。そんな時、家族を失い、故郷を失った人々を導いたのは科学者を中心とする開発チームだった。彼らは物資が不足する中で、惑星改造の準備を進め、実行した。約100年ほどかかったこのプロジェクトは成功を収め、人々はこの時から科学は万能であり、科学は神をも越えることができると信じるようになった。

 ラグナレックから3万年ほどたち、火星はMARS連合を名乗っていた。タイタンやネメシスをテラフォーミングし、太陽系の外にも進出しようとしていた。全てが歯車がかみ合ったかのようにうまく進んでいたように思われていたが、太陽系の運命を大きく変える事件がおきた。1人の冒険家によって、すでに伝説の中の存在となっていた地球が発見されたのだった。地球は当時は封神帝国一国に支配され、魔法文明の全盛期だった。ネメシスやタイタンの科学者は柔軟に科学に魔法を取り入れていったが、火星の科学者たちはかたくなに魔法を拒否し、全て科学によって魔法と同じ物を再現しようとした。また、メトセラやノームなどの人間以外の人種は亜人と呼ばれ、差別を受けた。

 7千年ほど昔、MARS連合と封神帝国の間で戦争が始まり、戦火は太陽系中に広がっていった。この戦争を千年戦争と呼び、その名のとうり千年もの間、いくつもの国が分割と統合を繰り返しながら戦争を続けていた。千年戦争の終盤になるとタイタンとネメシスが独立し、中立を宣言。地球は封神帝国を中心とした10カ国に収まったが、火星の中では三国(エデン,バルサバス,ヴァレンティン)に別れ戦争を続けていた。これを好機と見た封神帝国が戦争に介入してきたが、、エデンの女王リリスの提案により三国が休戦し、同盟を組んでこれを撃退している。この後も同盟関係が続き、ノウズ歴78953年に三国が統合して3王家連盟となった。

 連邦暦281年からの、トラキアと封神帝国の紛争に関しては今のところ中立の立場を表明している。


[1]-5 世界中に散らばる魔法時代やそれ以前の遺跡

 世界中には魔法時代やそれ以前に作られたと思われる建造物や魔法陣、交通機械や兵器などが人の目に触れることなく眠っている。有名なところでは封神帝国の東端に位置する”新しき森”と呼ばれる古代都市の廃虚で、現在(連邦暦283年)から9万年以上も前から存在している。この廃虚の都市の中心部には異常な高熱で融解した超高層ビルや巨大な人間の像だったと思われる建造物などが存在している。

 ごく最近発掘されたものでトラキア中央に位置する地下都市がある。その中には魔法時代に封印された”天を引き裂く紅蓮の雷(トゥールハンマー)”と呼ばれるものや、”地を焼き尽くす漆黒の炎”があったといわれているが・・・。


人物紹介

ビリー・ザ・キッド

 トランシルバニア軍のエースパイロット。代々、最強の射手に与えられる”ビリー・ザ・キッド”名前を継いだ青年。5代目キッドだ。トランシルバニア軍の中では、1,2を争う撃墜王で、射撃の腕では、彼の右に出るものはいない。ASの操縦に関しては天性の才能に恵まれており、どちらかといえば派手な戦法を得意とする。現在は試作機実戦運用試験部隊(第7艦隊)に所属しており、「トラキアの双璧」「ウクライナの黒い悪魔」として、恐れられている。

ジーン・クレア・バートン

 歴史上の争いがある度に現れる謎の剣士の名を名乗る少年。トランシルバニア軍の傭兵だが、階級が与えられ、通常の軍と扱いは変わらない。ASパイロットとしての腕は確かで彼とビリー・ザ・キッドのコンビは「トラキアの双璧」「ウクライナの黒い悪魔」として恐れられている。出身や学歴等は謎に包まれているが、戦術,戦略に関しても見識があるようだ。

エリック・メンフィス

 トランシルバニア軍西部方面軍(第3,5艦隊)のエースパイロット。主に格闘戦を主体とした戦法を得意とし、戦闘理論に長けている。勘で生きているビリーとは正反対の性格を持ったパイロット。ビリーとは幼なじみで付き合いが長い。しかも、会うたびにケンカをする犬猿の仲だが、互いにライバルとして切磋琢磨している。

キム・サンソム

 トランシルバニア軍南部方面軍(第2,6艦隊)のエースパイロット。長年ASを操ってきたベテランで、実戦経験に基づく確実な戦法で生き残ってきた歴戦の強者。本来なら指揮官として、既に佐官クラスになっているはずだが、ASに乗りたいために昇進を断っている。

ヴラドー・ツェペシュー・トラキア公爵

 トランシルバニアを代々治める公爵。封神帝国の前宰相で、文光帝と共に帝国の経済,政治改革を行うが文光帝の崩御で失脚し、トランシルバニアに戻る。現在はトランシルバニアの独立議会の議長を勤めている。政治の手腕は確かで、独立運動に自由運営各国と経済組合の支援を取り付けたのも彼の腕によることも確かである。

マリア・フォン・ガーシュタイン少将

 魔女の海会戦時はトランシルバニア軍第4艦隊作戦参謀、階級は大佐だったが、会戦で大打撃を受けた第4艦隊を立て直し、辛くも帝国艦隊を撃退し、功績が認められ少将に昇進している。彼女の指揮で負けた戦闘はなく、勝利の女神として部下の信頼も厚い。現在は強襲用楊陸艦テラ・マーテルを旗艦とする第7艦隊を率いて封神帝国との国境付近を警備している。

御剣 京四郎

 帝国騎士団”白虎”の団長。孤児であったが、前騎士団長に剣士の才能を認められ、拾われる。だが、彼の才能は剣士の才能だけにとどまらず、政治的なものもこなす。艦隊指揮をさせたら帝国では彼の右に出る者はいないといわれている。常に政治の腐敗について嘆いているが、政界の中での立場は高い位置ではない為、彼の意見が政局に反映される事は無い。

月読皇子

 前帝の妾腹の子で、6年前から帝国騎士団”朱雀”の団長を勤めている。表の舞台に立つことはなく、式典に出席したのも、5年前の封神祭1回だけである。剣士として。または魔導士としとしての実力は、その力を見たものが少なく、また口外する者がいないため謎となっている。一部では前帝の威光を傘に団長になったなどの噂も流れている。

文光帝

 封神帝国の前帝。王の座にに就いた当初から善政をしき民衆に支持される。議会設置などの政治改革を強行したため保守派の貴族に敵が多かった。279年に病死したが、保守派が台頭した現在でも支持している者は多く、帝国内部では未だに政治的な紛争が絶えない。

芳華帝

 前帝 文光帝の后で現皇帝。政治は宰相の李 安悠に任せているので、実質上傀儡の王となっているが、国民の人気は高い。

苓華姫

 芳華帝の娘。病のため成長が遅く、15歳になった今でも見た目は10歳前後である。出生時、双子の姉として生まれた。古来の言い伝えにより、双子の出生は不吉とされており、妹は出生後間もなく毒により命を断たれている。既にこの歳から権力闘争に巻き込まれ、腹違いではあるが、兄である月読皇子と会う事すら許されない。

近藤 勇

 庶民出身の剣士の集まりである新選組の隊長。新選組に所属している剣士は帝国騎士団の剣士にも匹敵する能力を持っているが、階級にこだわる帝国の貴族制度によって騎士団に登用されなかった者たちの集まりでもある。この猛者を束ねる近藤もまた庶民の出身であった。

女王リリス

 火星三王家を束ねる女王。体のほとんどをサイボーグ化しており、数百年にわたって王の座についている。

ヴエルター・フォン・シムトランウ博士

 数々の発明をし、多大なる功績を残した博士。反物質対消滅炉制御装置、シムトランウ式推進装置、空間転移装置などの発明を残した。晩年はサーバントの研究を封神帝国科学技術省と共に行っていたが、完成間近に起こった事故で死亡している。

李 安悠

 帝国の宰相。鋭い眼光を持つ老人。古くから皇家に仕える李家の出身で、文光帝が即位する以前から政局に大きな影響を与えていた。

文光帝が崩御した後台頭してきた保守派の代表でもあり、現在の政治の実権は彼が全て持っている。

幻夢斎 狂月

 帝国騎士団”玄武”の団長。巨大な鎌を武器にしており、見た目のとうり肉弾戦を得意としている。玄武は主に宮殿の警備を担当しており、国民の目に触れる機会も多いためか人気は一番高い。また、幻夢斎も見た目に違わぬ好漢で武術において帝国の中では彼の右に出る者はいないと言われている。

桜姫

 封神帝国の南端に位置する日向国の姫で、”異界の門”の管理を担当している帝国騎士団”青龍”の団長。呪術研究院の出身で魔術のスペシャリスト。帝国で復活の呪術が使用できるのは芳華帝と桜姫以外は存在しない。


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